素直になれない馬鹿女
アイリへ
アイリに言おうと思ったけど
言えなかったこと…
手紙でなら言えそうなんで
書いてみます。
言葉に出す事は無いと思う。
この前の夜、寂しそうな顔でベランダに出てた時
気付いてあげれば良かったと思う
……あ。
触れられたくなかったら、この手紙を今、捨てて下さい。
5月31日のこと…
本当は、その時に言えばよかったのに
なぜか言葉が出なかった。
たぶん、アイリもずっと悩んでいて
勇気を出して言ったと思う。
ジンタンは聞いた時
正直寂しかったのが本音です。
アイリのこと好きだから
たぶん嫉妬したのかもしれん
でも、言わなかったらわからないのに
アイリは言ってくれた。
ジンタンは愛されてると実感したよ
ジンタンと出会う前の事だし
過去は忘れたくても、忘れられないし
忘れたらいけない事だと思う。
……で、黙ってる事に息苦しさを感じたから
ジンタンに話してくれたんかな?
そうだとしたらゴメンね。
アイリが悩んでたのに
気付いてあげられなくて…
ジンタンはそれを聞いても
アイリを嫌いになんかならんよ。
むしろ素直に言ってくれたことを、嬉しく思う。
それにジンタンは、
なんとなく気付いてました。
アイリと初めてデートした
その日に…
前のアドレスに「531」って数字…
気になってたんだ。
…で、ジンタンが言えなかったことは
「教えてくれて、ありがとう
ジンタンが居るから、アイリは大丈夫」
って言いたかった。
この手紙を書いたのは、
アイリがこのことについてジンタンが、どう思ってるのか
モヤモヤ感を残したらいけないと思ったのと…
昔からジンタンは言葉足らずで
大事な言葉が恥ずかしくて言えなくて
誤解されて相手を傷付けること多くて……
今思うと「付き合って」って言葉すら
今だに、言えてないのに
一緒に居てくれるアイリにだけは
本当の気持ち伝えたいと思い書きました。
PS.自分のことを「ジンタン」とか言ってる28才ですが……照れ隠しです(笑)