私の王子様-先生【完】
「お前…」
そう言われた瞬間、私はほんとうのことを言ったほうがいいと思った。
「す、すいません!!本当は会いに来たかったから…その…本当にごめんなさい」
そして、勢いでこんなこと言っちゃったけど先生は意外と落ち着いていた。
「俺、一応病人だから中で話さない?」
「え?…はっ、はい!」
私はそう言われて先生が病人だったことにあらためて気づく。
私ったら先生のかぜ余計に悪くさせるようなことしちゃって…
いきなりの失敗に後悔が隠せなかった…
「で、俺に会いたかったって?」
「いや…そのですね」
どうしよう言葉が出てこない。
会いたいのに理由なんてあるんだろうか?
理由なんて特になかった私はもう一度
「先生に会いたかったから…」
そう言った。