私の王子様-先生【完】
そして私が見たのは冬のきれいな海。
私はとても感動した。
夏には見られない不思議な輝きがあったから…。
「冬の海っていいだろ?」
「え?あ、うん」
「昔からなにかあるとここ来てたんだ」
「どうして?」
「辛いことあってもここ来るとなんかすっきりした気分になるんだ」
確かにそうかもしれない。
この景色を見ているとどこか落ち着いて辛いことも忘れられる気がする。
私は先生のことを少し知れた気がしてちょっと嬉しくなった。
「お前はつらくなったら俺のところに来いよ?」
「え…?」
「お前は抱え込みすぎるからな…何かあったら絶対俺のところに来い」
先生は私の眼をじっと見つめそう言った。
私は自然に涙があふれてきた。