最期のYou Got Maile
出会い系サイトで気に入った相手を見付けると、その人間はまずはメールやチャットでやりとりを始める。このメールやチャットでのやりとりがクセ者で、サイト上で気に入った相手と話しをするには、そのサイトの運営者が指定するページに有料で接続し、その時間、件数に対して、誰から見ても法外な額の請求をうけるのだ。
だからこそ、男は少しでも実りのある支出にするために、執拗に相手と直接会うことを要求してくる。しかし、それでは、運営者はせっかくのカモを逃してしまうことになる。そこで、私のようなメル嬢が必要となったわけだ。
メル嬢の仕事。それは、メールやチャットといったヴァーチャルの世界でいかに馬鹿な男共に金を貢がせ続けるか。
その広告を見付けた時から、私のメル嬢としての副業が始まった。
***
「ねぇ、今何してるの?」
職場でメル嬢のサイトを立ち上げ、馬鹿な男達の稚拙でどうしようもない会話に付き合う。
「今?オフィスで、シ・ゴ・ト」
男とは本当に馬鹿な生き物で、オフィスという言葉に馬鹿みたいに反応する。
「仕事?オフィスで?本当は仕事しているフリをして、Hなことしてるんじゃないの?」
男って本当に馬鹿だ。確かに、私は真面目に仕事などしていない。代わりにこいつらみたいな阿呆共の相手をしているというのに、何故こんな質問が飛び出してくるのか?
でも、これは仕事。私はこういう馬鹿共を喜ばせるプロなのだ。例えそこがディスプレイの前でもニッコリと微笑んでみせる。
「うん。本当はちょっと…」
「ちょっと…なに?濡れてるの?」
クククククッ…。
男の、あまりの馬鹿さ加減に、堪えても堪えきれない笑いが込み上げてくる。
そんな私を、回りの同僚が気味悪げに眉を潜める。
おっと、危ない危ない。今はリアルに仕事中だった。
私は、チャットの相手に上手く口実をつけ、その日の副業を終了した。
私は、自分でも、この副業を上手くこなしていると思っていた。本業のOLよりもよっぽど楽しい。でも、それが仮想の世界だと理解している。相手に付かず離れず。収入も本業よりもよっぽどいい。
しかし深入りは禁物。美味しい話しにはどこかに落とし穴があるものだ。
私は自分にそう言い聞かせ、今日までメル嬢をやっていた。
そう、今日までは…。
だからこそ、男は少しでも実りのある支出にするために、執拗に相手と直接会うことを要求してくる。しかし、それでは、運営者はせっかくのカモを逃してしまうことになる。そこで、私のようなメル嬢が必要となったわけだ。
メル嬢の仕事。それは、メールやチャットといったヴァーチャルの世界でいかに馬鹿な男共に金を貢がせ続けるか。
その広告を見付けた時から、私のメル嬢としての副業が始まった。
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「ねぇ、今何してるの?」
職場でメル嬢のサイトを立ち上げ、馬鹿な男達の稚拙でどうしようもない会話に付き合う。
「今?オフィスで、シ・ゴ・ト」
男とは本当に馬鹿な生き物で、オフィスという言葉に馬鹿みたいに反応する。
「仕事?オフィスで?本当は仕事しているフリをして、Hなことしてるんじゃないの?」
男って本当に馬鹿だ。確かに、私は真面目に仕事などしていない。代わりにこいつらみたいな阿呆共の相手をしているというのに、何故こんな質問が飛び出してくるのか?
でも、これは仕事。私はこういう馬鹿共を喜ばせるプロなのだ。例えそこがディスプレイの前でもニッコリと微笑んでみせる。
「うん。本当はちょっと…」
「ちょっと…なに?濡れてるの?」
クククククッ…。
男の、あまりの馬鹿さ加減に、堪えても堪えきれない笑いが込み上げてくる。
そんな私を、回りの同僚が気味悪げに眉を潜める。
おっと、危ない危ない。今はリアルに仕事中だった。
私は、チャットの相手に上手く口実をつけ、その日の副業を終了した。
私は、自分でも、この副業を上手くこなしていると思っていた。本業のOLよりもよっぽど楽しい。でも、それが仮想の世界だと理解している。相手に付かず離れず。収入も本業よりもよっぽどいい。
しかし深入りは禁物。美味しい話しにはどこかに落とし穴があるものだ。
私は自分にそう言い聞かせ、今日までメル嬢をやっていた。
そう、今日までは…。