最期のYou Got Maile
初めてのデート
映画を見て、水族館へ行って、カラオケ行って…。いわゆる一般的なデートというやつだ。
今、私の隣にはどこからどう見ても中学生だろうという姿の少年がいた。
身長は160ないだろう。女の私よりも目線が低い。冬用の学生服、短く刈り上げた髪、中性的というよりは、幼い顔立ち。そんなどこにでもいそうな彼の胸ポケットには、また馬鹿みたいな赤い薔薇がささっていた。
「君、中学生なの?」
思わずそう聞いた私に、彼は自分の恰好を見返し首を傾げた。
「やっぱり中学生に見えます?校章つけてないのにな」
「違うの?」
「否定しませんけど」
「やっぱり中学生?」
「肯定もしませんけどね」
結局、曖昧な答えしか返って来なかった。
彼の名は『ロア』。私の副業であるアダルト系出会いサイトでの客の一人だ。
と言っても、私は彼の事を殆ど何も覚えていない。彼曰く、私と彼が知り合ったのは半年前。半年前と言えば、私が副業でメル嬢をやり始めた当初ということになる。
彼に会って、私は驚きの連続だった。
中学生がアダルト系出会いサイトを利用しているという事も驚きの一つだった。アダルト系の出会いサイトを利用するには、大変な資金がいるからだ。住まいは、私が住んでいる場所から県を3つもまたいでいたし、見せてくれた財布の中身には福沢諭吉がギッシリだった。
「君はいったい何者なの?」
通常、この質問はヴァーチャルの世界で知り合った者同士ではルール違反の質問だった。その事は私も重々承知していたが、彼の身なり振る舞いを見たらどうしてもその質問が沸いてくる。もしかしたら、何か事件をおかしているかもしれない。そう思えたのだ。
「だめですよ。初めにルールは説明したでしょ?お客の素性は無闇に聞いちゃだめですよ。仕事には相手の職業なんて関係ないんですから」
その言葉に、私は絶句した。
そのルールを私に教えてくれた人物とは、私がメル嬢を志願した時、例のアダルトサイトを運営していた人物から教わった最初のルールだった。
今、私の隣にはどこからどう見ても中学生だろうという姿の少年がいた。
身長は160ないだろう。女の私よりも目線が低い。冬用の学生服、短く刈り上げた髪、中性的というよりは、幼い顔立ち。そんなどこにでもいそうな彼の胸ポケットには、また馬鹿みたいな赤い薔薇がささっていた。
「君、中学生なの?」
思わずそう聞いた私に、彼は自分の恰好を見返し首を傾げた。
「やっぱり中学生に見えます?校章つけてないのにな」
「違うの?」
「否定しませんけど」
「やっぱり中学生?」
「肯定もしませんけどね」
結局、曖昧な答えしか返って来なかった。
彼の名は『ロア』。私の副業であるアダルト系出会いサイトでの客の一人だ。
と言っても、私は彼の事を殆ど何も覚えていない。彼曰く、私と彼が知り合ったのは半年前。半年前と言えば、私が副業でメル嬢をやり始めた当初ということになる。
彼に会って、私は驚きの連続だった。
中学生がアダルト系出会いサイトを利用しているという事も驚きの一つだった。アダルト系の出会いサイトを利用するには、大変な資金がいるからだ。住まいは、私が住んでいる場所から県を3つもまたいでいたし、見せてくれた財布の中身には福沢諭吉がギッシリだった。
「君はいったい何者なの?」
通常、この質問はヴァーチャルの世界で知り合った者同士ではルール違反の質問だった。その事は私も重々承知していたが、彼の身なり振る舞いを見たらどうしてもその質問が沸いてくる。もしかしたら、何か事件をおかしているかもしれない。そう思えたのだ。
「だめですよ。初めにルールは説明したでしょ?お客の素性は無闇に聞いちゃだめですよ。仕事には相手の職業なんて関係ないんですから」
その言葉に、私は絶句した。
そのルールを私に教えてくれた人物とは、私がメル嬢を志願した時、例のアダルトサイトを運営していた人物から教わった最初のルールだった。