*Tiara*〜天使の君〜
リオン兄様は大げさだなぁと言って笑った。



「裏には名前が刻んであるんだよ。」

リクス兄様がおしえてくれた。

ペンダントを裏返してみるとそこにはティアラという私の名前と誕生日が刻まれていた。



「本当!とってもステキだわ。リオン兄様、リクス兄様ありがとう!」




「喜んでくれてよかった。お前の御守りだからね。」


「うん、毎日つけるわ。」

私はそういって、ペンダントをつけようとしたけれど
なかなかうまくつけられず、結局リオン兄様がつけてくれた。



私がもう一度お礼を言うと、兄様たちは会議にいってしまった。



兄様を見送ると


ペンダントをあらためてよく見てみた。
それはキラキラひかるシルバー製だった。


だからリオン兄様は御守りだといったのね。



リリスではシルバーは身を守り、幸運を呼び寄せる効果があるとされているもの。






ほんとうに……。


2人とも私をかわいがってくれる。
そんなお兄様たちが大好き


でもその愛情の中には私への同情も含まれているんじゃないかと
思ってしまう私がいた。


なんで……なんでわたしだけがこんな力を持ってしまったの?






こんな力がなければ、私も会議に出席してお兄様たちと諸外国を訪問する準備をしていたはずなのに……。



どうしてわたしだけ?
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