*Tiara*〜天使の君〜
白馬で町の中を駆けていく
するとシリウスの長髪は風にさらさらとなびいた
この長髪はアルバンの国王の象徴である
「きゃーっ。見て!あれはシリウス様じゃない?」
「本当だわ。相変わらず、麗しいお方ね!!もっと近くへ行きましょう!」
町の女たちは揃ってこんな言葉を交わしていた
それも無理はない
シリウスは、誰もが見とれてしまうほどの容姿をもっていた
しかも国王になってからひと月しかたたない若者だと言うのに、仕事をテキパキとこなし、武術にも優れたすばらしい国王だ
「シリウスさまーっ」
女たちはこぞって手をふる
ちっ。町の女どもか……
キャーキャーと騒ぎおって
「じゃまだ。道を通せ!!」
そんな女たちも構わず、現場へまっすぐに向かうとすぐに目的地が見えてきた
「指揮官は、いるかーっ」
そう叫ぶとひげをはやした男が近寄ってきた