*Tiara*〜天使の君〜
*朝
「はぁ………。」
少女は城のテラスから町を見下ろしながら、ため息をついた。
彼女は、町を楽しそうに走り回る子どもたちをみていたのだ。
わたしだってあんな風に
自分の好きなように城の外に出てみたい…
それは彼女の一番の望みだったが、
叶う訳がない、と一番よく分かっているのは
彼女自身だった。
彼女はある理由でリリス国の外にでることは許されない。
城の外に出ることだって特別なことがない限り、
叶わないのだった。