*Tiara*〜天使の君〜
Tiara〜ティアラ〜

とは少女の名前なのだろうか……


「ティアラか……」



ぽつんと声に出してみると、その名は目の前の淡いブルーの髪をした少女にぴったり合っているような気がした



「きっとこの少女の名前なのだろう。ティアラ……この娘はティアラだ。」


自分に言い聞かせるように、それでいて皆に宣言するようにシリウスは言った



「アイル。ティアラに付き、世話をするのだ。記憶が戻るまではこの城にとりあえず住まわせることにする。」


「かしこまりました。シリウス様。」


シリウスは軽く頷くと颯爽と部屋から出て行った



「ティアラ様ね……ミラ!!あなたは今日からティアラ様の侍女として、お世話をなさい。」


アイルは王が出て行ったのを見届けると、侍女のミオに言った


「はい。アイル様。」


ミオは頷く


「知らない場所で心細いでしょうから、力になって差し上げて。それにティアラさまなら、あのシリウス様をもっと素晴らしい王に変えられるような気がするのよ。不思議だけれどね。」


そう言うと、ティアラの着替えを取りに行くため自らも出て行った。
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