*Tiara*〜天使の君〜
「そうだわ。ティアラ様、今日はリオン様とリクス様をお呼びしてご一緒に召し上がられたら、いかがですか?
きっと王子様方はお喜びになるでしょう。」
「まぁ、それはいい考えねっ。この頃は2人とも忙しそうだったし、いい息抜きになるわね。
どうせならニックも呼んで、4人で食べたいわ。」
ティアラはうきうきした気持ちで言った。
「では4人分、姫様のお部屋にお運びしましょう。みなさんにお声をかけて参りますね。」
「あっ、いいわ。
お兄様たちとニックは、わたしが呼んでくるわね。」
リサは優しい笑顔をみせた。
「かしこまりました。ティアラ様。」
リサは失礼しますと言って、部屋を出た。
(まったく。姫様は誰にでも優しすぎるわ。
わたくしは侍女なのだから、
もっと色々と申しつけて下さってかまわないのに。
でもきっとその優しさが皆を引き付けるのでしょう。
この城のなかで姫様を嫌う者は一人もいないもの。
それにしてもおかわいそうに…。
あんな力を持っているせいで、城の外にもほとんどでられないなんて。)
リサはそんな事を考えながら、厨房へと向かった。