*Tiara*〜天使の君〜
リサが出て行くと、ティアラは身支度をして兄たちの部屋へ行くことにした。






(4人で朝食なんて久しぶりだわ。
私達が幼かったころはいつも一緒に遊んでいたのに、このごろはみんなお仕事で忙しくて少しもはなせないんだもん)




部屋のドアを開け、ろうかを歩いていった。



「おはようございます!王女様?」


不意に後ろから声をかけられた。



(きゃぁっ)




「驚かれましたか?申し訳ありません。」



それはティアラの幼なじみで、リリスの副将軍のニックだった。





「まぁニックね!
いきなり声をかけるんだもん。びっくりしたわ。」




「失礼いたしました。あまりにぼーっとなされていたので(笑)」



「もう、笑わないでよ!
ちょっと考えごとをしていたの。」




「にやにやしながらなにを考えてらしたんですか?」


ニックの一言でティアラの顔は真っ赤になってしまった。


(そんな顔をみられていたなんて//)



「…………っ。
ニックのいじわるっ!
せっかく朝食に呼ぼうと思っていたんだけど、そんな人は呼ばないわよっ」





「朝食をっ!?
あの……もしよければご一緒したいのですが。」



「ええ、まぁいいわっ
後で部屋に来てね!リオン兄様たちも呼んでくるから。」




「分かりました。では後ほど」

ニックはそう言うと、廊下を足早に歩いていった。
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