舞Days~4月。始まりを告げるBomb~
―…ご機嫌よう…ご機嫌よう
新学期2日目の朝,私は昨日より30分程早く学校に来た。
早く友達になりた-い♪
昨日同じクラスになった方々と友達になるために。
扉を開けると,2人の生徒がいた。
花を見てる萌木五月さんと,本を読んでる雪乃塚春海さん。
二人とも,私に気付くと,
「お…御早うございます。」
「ご機嫌よう。」
と挨拶をしてくれた。私は嬉しくなって,
「ご機嫌よう。」
と挨拶した。
不意に,雪乃塚さんが近づいて来た。
「梓の君(アズサノキミ),昨日渡された物の中身はご覧になって?」
「はい。ネックレスでした。」
「もう付けまして?」
「いいえ。」
「まぁっ!!身につけてはございますの?」
「ぇ…ぁ…はい。ここに…」
何でそんなに驚くのだろう?と思いつつポケットから昨日貰って,湖心さんに言われて開けた“あの箱”に入っていた,ネックレスを出した。
金の細い鎖が,金のリングの指輪に通してあって,その指輪にはめられた大きな赤い宝石(?)に“子”と彫ってある,変わったネックレス。
雪乃塚さんは,それを見て,
「早くおつけになってください。一刻も早く。」
と言った。
私は内心,何でそんなに焦るのか疑問に思いながらも,雪乃塚さんがあまりにも必死に言うので,素直に付けた。