舞Days~4月。始まりを告げるBomb~
私が目を丸くしていると,沙恵が,
「驚きました?」
「うん…ああやって“力”を使うんだ…」
「はい。普通の口付けなら体の一部が変わります。そして指輪を指にはめた状態で口付けをすると,完全にその動物の姿になるんです。」
「成る程。今ので湖心のさっきの説明で解らなかったとこがわかった。」
「苺果ちゃんみたく,耳と尻尾が出るのが基本的ですが,私…あ,私は寅です。私は,牙も生えますし,明和くん…酉ですね…は背中に羽が生えます。」
「私は子だから…?」
「子は,梓ちゃんが来るまでいなかったので,誰も見たことがないのです。」
「そっか…なんかドキドキする。」
「ふふ…でも毛色は大抵髪色が反映されるので,ハムスタ-かもですねッ」
「だといいなぁ;」
春海が小声で,苺果ちゃんが集中し始めた事を告げたので,私達は口を閉じ,下(1階広間)で行われているパ-ティに目を移した。
思い思いに着飾った人達が,踊ったり食事をしたり談笑したりしている。たまに2階のアリ-ナ席にいる私達を見やり,何事か囁いている人達もいる。
早く爆弾を見つけなきゃ…この楽しいパ-ティ会場が地獄絵図になる前に。