舞Days~4月。始まりを告げるBomb~



慣れない4つ足でだいぶ走り,私はパ-ティ会場の中を探している。
テ-ブルの下をくまなく見ていると,頭の中に甲高い声が届いた。
どうやら,変身している間は無条件で同種間テレパシ-が使えるらしい。
声は,
「南から2番目のテ-ブルの下に発見ちまちた。」
と言った。私は,
「ありがとう,今行く。」
とその声に返事をし,さらに全員にむけて
「アリ-ナに一番近い子は湖心に報告して。」
と言った。すると,しばらくざわつき,代表なのか一匹の声が,
「私たちじゃ報告出来ません。」
と言った。


うわ…そっか,どうしよ…


私が慌てていると,他の一匹の声が,
「あの-…梓様が声に出せば“卯”の方が聞き取ってくれるのでは?」
「ぁ,成る程。ありがとう。」


その手があったか。
「南から2番目のテ-ブルの下で爆弾発見。」

私は早速小さめの声で囁いた。
周りはパ-ティ中だし,私は今人語を話すハムスタ-だ。見つかりたくない。
それに,苺果ちゃんならこの程度でも聞こえる…と思う。
この身長でここから見上げても苺果ちゃんは愚かアリ-ナの中すら見えないから,確認は出来ない。


あ…そっか。


「やっぱり一人アリ-ナに行って。皆の反応が見たいし,向こうの指示が聞きたい。」
と頭の中で言った。
一匹の鼠が,
「了解。」
と言った。


さて,私も早く南から2番目のテ-ブルに行かなきゃ。




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