せぴあなタメ息
「こら」

誰かが、

類の肩をつかんで、

横に逃れさせてくれる。

「歌った後で疲れてるんだから勘弁してやりなって」

ニッコリと女のヒトに笑いかけているのは、

冴島だった。
 
女のヒト二人は、

機嫌よく、

類に投げキッスをして、

離れてく。


冴島は類を見た。

「驚いた?」

とっても。
 
冴島さんの出現の方に。
 
けれど、類は黙って頷いた。
 
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