せぴあなタメ息
そんなことより、

類の心臓も頭ももはや尋常なペースではなかった。

ステージの上にいる冴島もいいけど、

ここにいるここにこうしてただいるだけの冴島も

負けず劣らず、いい。

「類を探してここに来たら、ちょうど大っきな声で、あんたがカラまれてて」

深く綺麗な色の瞳。
 
優しそうで、

けれどその少し奥で他人を拒んでいるように見える。

それすら、今の類には魅力でしかないのだが。


「類?」

< 54 / 66 >

この作品をシェア

pagetop