君と生きるという事
僕達は どれだけの町を転々としただろう
僕達の貯金も 底が尽き 僕は働きに出掛けた
君の旦那は 僕達をどこまでも執拗に追いかけて来ていたんだね
僕は何も知らなかった
ただ
僕達の生活は楽でないけど幸せだと思っていた
だけど本当は…
君に暴力を振い続けてたんだね
僕の留守を狙っては やって来ていたんだね
君は…
君は何も僕に言わなかった
仕事から帰った僕は 馴れない仕事の愚痴を言い
君の身体の傷に気付いてあげられなかった僕に
笑顔で“おかえり”と言って 温かい食事と温かいお風呂を用意して 黙って僕の愚痴を聞いたんだ
僕は なんて愚かな人間だったのだろう