それは初恋で、
教室に戻ると、早紀ちゃんが小さく拍手をして笑顔で待っていた。
「…?」
「オメデト!! 返事、したんでしょ?」
「あ…、うん。そのつもりだったんだけど、出来なかった」
「は? 何で!? どして?!」
「最初はごめんなさいって言えたんだけど…」
「え、何で!? あ、嘘!!! 叶選ぶの?」
「ャ、早紀ちゃん、声おっきい!! お、落ち着いて。とりあえず聞いてッ」
「…分かった」
早紀ちゃんは顔を乗り出して聞く姿勢を持った。
「はい、席着け~」