それは初恋で、
自販機まで、思いの外、距離があった。
自転車に乗って来れば良かった。
そうだ。
自転車に乗って叶くんも一緒に来てもらって、その場でお礼すれば良かったんだ…
私は後先考えずに突っ走ってしまったことを瞬時に後悔した。
呼吸が少し乱れている。
私は自販機に小銭を入れてコーヒーを1本買った。
図書館に戻ろうとしたら、叶くんが自転車に乗って、私の分も並走させて来ていた。
なんて危険かつ高度な行為をするんだろう。
あれ、私自転車の鍵…?
ポケットを叩くと当然無くて。落としたのかな。叶くん拾ってくれたのかな。私、また迷惑かけたのかな…
キキ――――--…ッ!!
1台の車が私の横に停まった。