それは初恋で、
「いた―――ッ、ちょっと何してんのよ!!」
遠くから早紀ちゃんの声がした。
声の方向は…と、見ると40メートルほど先の渡り廊下に早紀ちゃんがいた。
「何アレ」
「本田…」
「早紀ちゃん…」
「恥ずかしいヤツだな」
「叫ぶなよ」
みんなが早紀ちゃんにボソッと一言ずつ呟いた。
「あ、走った」
「こっち来んじゃね?」
「マジ?」
「退散!」
「じゃあね、アッキー」
小野さん達は去っていった。