それは初恋で、
「ズリィよな。幸村」
「え?」
「何でも!!」
相沢くんは赤くなった。
帰り道、相沢くんは叶くんと仲良くなったきっかけとか、湊介さんや奈美さんの話をしてくれた。私はそれをただ聞いていて、でも、お互いに少し緊張したまま自転車を走らせていた。
「送ってくれてありがとう」
「おう」
「明日、頑張ろうね」
相沢くんはバシッと私の背中を叩いた。
「?!」
「気合い。入ったろ?」
相沢くんはそう言って笑って帰って行った。