それは初恋で、




でも、それは…本当の私じゃない。

分かってる。自分の親にも嘘をついていること。



でも、全部が嘘じゃない。


だから、

いつか全て
後ろめたい過去を乗り越えられたら…



きっと、
全部が繕いのない本当の私をお母さんに見せられる。


1ヶ月前までの私は…、心配を掛けまいとお母さんに嘘の私を見せてきた。



でも、高校生活が始まった日。


早紀ちゃんと出会ったその日から、私は新しく動き始めたんだと思う。


少しずつ、
『私』が…いつかありのままをお母さんに見せられる日はきっと来る。


それを今日、何となくだけれど、確信した。



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