メガネで無口な王子様


「言いたい放題言いやがってしまいには逃亡かよ。」








メガネをさっととって近づいてくる波多野くん。 








「………言ってみろよ。
おまえの言いたかったこと。」







顎をクイッとあげられて一瞬ドキッとする私。 







「……………
私…
勝手なやつって思われるかもしんないけど。」







目をちゃんと見れなくて顔をそらした。 








「勝手なんて思わねぇよ。

だからちゃんとこっち向け。」








「………………
…やっぱりね。

私は波多野くんが好き。

あの時のも全部うそだよ。
私は波多野くんのこと好きじゃないって思った時なんてなかった。」 








顔を熱くしながら、
でも、しっかり波多野くんの目を見ていった。







これが私の気持ち。 








偽りのない私の心。 




< 106 / 126 >

この作品をシェア

pagetop