メガネで無口な王子様
「言いたい放題言いやがってしまいには逃亡かよ。」
メガネをさっととって近づいてくる波多野くん。
「………言ってみろよ。
おまえの言いたかったこと。」
顎をクイッとあげられて一瞬ドキッとする私。
「……………
私…
勝手なやつって思われるかもしんないけど。」
目をちゃんと見れなくて顔をそらした。
「勝手なんて思わねぇよ。
だからちゃんとこっち向け。」
「………………
…やっぱりね。
私は波多野くんが好き。
あの時のも全部うそだよ。
私は波多野くんのこと好きじゃないって思った時なんてなかった。」
顔を熱くしながら、
でも、しっかり波多野くんの目を見ていった。
これが私の気持ち。
偽りのない私の心。