メガネで無口な王子様


「………じゃ…メガネかけてやるよ。」








カチャッ 

と音をたてて宏平の目がレンズ越しに見えるようになった。 








そうなると、 

こいつはほぼ、 


うん  とか、 


違う  とか 


しか言わなくなる。 








まだメガネを掛けた"波多野宏平"を知らない私。 







何考えてんだろう……。 








「…………………」


「…………………」









こうなると私たちは30分は余裕で無言になってると思うくらい 
時間が長く感じる。 







「…………やっぱメガネ外して。」







そしてその空気に耐えられなくなっていつも折れるのが私。 








「んだよ。
はっきりしろっての…!!」







ちょっとキレ気味の宏平はちょっと怖い。







無言なメガネとクールな俺様、 

どっちも合わさって、 

化学変化みたいの起こして、 

優しいしカッコイイ、 ってのになったりしてくんないのかな?? 

ってたまに思う。 








でもメガネも俺様もひっくるめて、 


やっぱ私は宏平が好きなんだなぁって一緒にいると思うんだ。 







「…メガネかけてると……質問ちょっとしにくいんだもん…!
ここ、これであってる???」



< 114 / 126 >

この作品をシェア

pagetop