メガネで無口な王子様
「………俺のこともて遊んでるわけ…??」
「……えっ…?!
なんでっっ!?」
私が波多野くんをもて遊ぶ?!
なんでそうなるの……?!
むしろもて遊んでるのは波多野くんの方でしょ?!
「………………マジでわかんねぇの…?」
ぐっと顔を近付けてくる波多野くん。
「………わかんないよ………」
分かんないから離れてください………
「…………本当鈍感だなお前……」
唇が近付いてくる………。
……ちゅっ………
いつもと違う触れるだけのキス。
「………………っ」
波多野くん………
悲しい顔してる……??
「…………悠斗に威張れるのはキスを拒ばねぇことだけか……」
「………えっ……??」
ガララッ
「ごめんなさーい!!
大丈夫??」
先生が息を切らして来た。
「大丈夫です……
微熱があるぐらいで…。
じゃ俺戻ります。」
「…ありがとう。波多野くん
先生には伝えといてくださいね。」
「はい。
塚本さんお大事に。」
「……あ…ありがとう…。」
波多野くんはメガネをかけて保健室を出ていった。