メガネで無口な王子様


走って走って、気が付いたら自分の教室にいた。








………ばかみたい………。








1人で勝手に悲しくなって……

勝手に怒鳴って……。







きっと波多野くんだって呆れてるよね……。









「…………だから何泣いてんだよ……。」



「……ふぇっ………?」








声のする方向を見る。





そこにはドアに体重をかけた波多野くんがいた。







私は慌てて涙を拭いた。






「なっ………何しに来たのっ…??」

「…やけに強気だな……。
……泣いてる理由を聞きに…。
…俺のせいか……?」







…………当たり前じゃん…… 


…でも……強く言えないよ……。 







「…………ばか……
普段は話さないくせに……」




「…………おまえの前だからだよ……。」








……………え……??

どういうこと??







「……………え……??」





「……………やっぱ鈍感だな……
…………好きなんだよ……
お前が。」








えっ……………??!!







びっくりして涙が引っ込んだ。 






「…………じょっ…冗談やめてよ……」







そうだよ…………







波多野くんが私を好きなんて……







「………こんな恥ずかしい冗談言わねぇよ……」







顔を赤くして言う波多野くん。






本当に本当なの………?? 







「……………ふぇっ………
…ばかぁ………!!」

「はっ………?!」







波多野くんが私を好き…………






そう考えただけで涙が止まんないっ………!!




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