メガネで無口な王子様
「……??杏里??
どしたの??」
私の異変に気付いた瑠璃は、私の顔を覗き込んだ。
「あっ………ははっ。
なんでもないよっ!ごめんごめん!!」
作り笑いを見せて返事をした。
瑠璃は、そう?と言って自分の席に向かった。
………ごめんね…瑠璃……
ガララッ
「あっ!!波多ピーおはよぉっ!!」
「……はよ」
瑠璃の甲高い声にビクッとする。
同時に波多野くんの声にドキッとする。
「……おはよ。杏里。」
波多野くんの声が私にかけられる。
「…………あぁ…おっおはよ。」
返事をした瞬間波多野くんの口元が少しゆるんだ気がした。