メガネで無口な王子様


"ヴーヴーヴー"



携帯のバイブ音がなった。






画面を開くと知らない番号。






私は恐る恐るボタンを押した。






「……………もし…もし…?」

『よぉ………わかるか…?
波多野だけど。』






えっっ……?!

波多野くんっ!!??






「なんで私の番号知ってるの??!!」

『んなのどーでもいいだろ…

……あの放課後の…なんなんだよ…』



声からわかる。




波多野くん………すごい怒ってる……。




でも………ここでひるんじゃダメ。






「………何って………あの通りだよ。
私は悠斗くんが好きなの。」








こんなこと……言いたくない…


好きな人の前で…………こんなこと…







『は?
お前昨日のはなんだったんだよ…!!』



もう波多野くんの冷静さはなかった。






私は泣きそうになるのを必死に堪えて口を開く。






「…………っ……
………悠斗くんが好きだったのっっ……!!
昨日のは…………冗談にきまってんじゃんっ…!!
本気にしないでよっ!!ばかみたい…」

















『…ああそーかよっっ!!!!!』








ブチッ 






ツーツーツー







電話が乱暴に切れた。








もう……………







「…………ふぇっ……」










本当私……最低。







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