君に出会えた奇跡…

「たけちゃん、どうしたの?

すごく顔が険しくなってるよ?」


私は、嫌な予感がした。


「あのな、柚、お前はこれから

野球ができないかもしれない」


え……


うそでしょ、たけちゃん…


そんな冗談…


「だけど、リハビリをがんばってすれば

きっと野球できるから…」



たけちゃんはそう言ったけど



「ポロッ…ポロッ」


私は自然と涙がでた。


だって、野球は私にとって1番楽しい事

だったから…




中学生になっても高校生になっても

ずっと、やろうと思っていたスポーツ…




「な…んで?」


「なんで?たけちゃん、

私野球大好きなのに…。

ずっとやろうと思ってたのに…」


「柚…」


「ウェーーーーンッ、な…んで」


思いっきり私は泣いた。


医者にはリハビリで治ったとしても


「もう一度同じことをしたらもうどうにも

できない」と言われた。
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