君に出会えた奇跡…
「じゃぁ、行くぜ」
「うん」
あぁ…たけちゃんの投げるフォーム…
あのときから全然変わってない。
1球1球に力をいれて、丁寧にミットの中へボールを入れていく…
私はたけちゃんが憧れだった。
なにもかもが凄くて、最初はいつものたけちゃんがまるで別人のように見えた…
「パァンッ」
「…柚!どうだった?」
「うん!なんかボールのスピードがメチャ速くなってない?」
「そりゃそうだろ、もう何年たってんと思ってんの?」
「たしかに。あのさ…もう1回投げてくんない?」
「いいけどさぁ~今、俺チョッと肩が痛いんだよね。やりすぎで筋肉痛だと思うんだけど…」
「じゃぁ、あと1回だけ投げて。お願い」
「いいよ、わかった」
「いくぞ」
そして、またたけちゃんはボールを持ちさっきと同じフォームで投げようとした。
あっ!…やっぱり。
そうだ、あの投げ方なんかへんだと思ったんだ…