君に出会えた奇跡…


「パァンッ!」


「ってぇ~肩ちょっとズキってきた」


たけちゃんが言った。



やっぱり…速さはずいぶん速くなってるけどね。


「たけちゃん、あのね…」


「うん」


「投げる時に力を入れすぎてその力が肩にも加わっていて、多分それを結構長く気づかずにやってきたから肩をずいぶん痛めていると思う…」




「え?でも、俺はこのフォーム昔から変わってないぞ」


「ううん、フォームわね、自分が変えていないと思っても、昔と今で体つきが変わったりしてフォームが変わってしまうんだよ」


なぜか、私は何年も野球をやってきていないのにスラスラと知ってかぶりのように言ってしまった。


「だから、投げるときは肩も一応使うんだけど肩ばっかでは投げないで。こうゆうふうに腕や指の先まで使ってボールを投げて」


「お、おう」


そしてたけちゃんは私の言う通りにしてボールを投げた。


「す、すげぇ。ほんとに今肩痛くなかった…」



「でしょ、もしこれがあと1ヶ月くらいあとだったらどうなっているか…」


「ウっソ!?」



「ほんと。」


「よかったー、柚に聞いといて。これで試合肩痛めずに試合出れるよ。少しこのままで出れるのか不安だったんだよねー」



「そっかそっか、それはよかった」



そして私たちはそのあともたくさん練習し続けた…


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