君に出会えた奇跡…

━健━


俺は、4回の表から調子がおかしくなった。


その時は、大したことないだろう…と思っていた。


でも、5回裏。今まで痛めていた肩が痛くなり、その痛みでボールが佑真の指示通りに投げれなくなってしまった。



それに気づいているのか、チームみんな俺の事を心配そうに見ている。


そして、1番俺の事を分かっている佑真がついに審判にタイムをとって俺の方へ近づいてくる。


「おい…お前なんか大丈夫か?」


やっぱりわかっていた。


でも、ここで言ったらみんなに迷惑をかけると思って知らないふりをした。



「大丈夫って何が?」



そうゆうと、佑真はビックリしたような顔をしていた。


「自分でもわかっているんだろ?とにかくおかしいんだよ。」


わかってる…


わかってないわけないじゃないか、自分の体は自分が1番わかっているんだから。



けど…


「何が?」


知らないふりをしてしまった。




「ボールが俺の指示通りに投げれなかったり、フォームが崩れてきたりしてすごい様子がおかしいんだよ。俺がどんだけお前のパートナーやってると思ってんだよ」



そんな嘘を言っても、佑真は見ぬけていた。



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