君に出会えた奇跡…
だから俺は、仕方がなく佑真だけに本当のことを言うことにした。
「…佑真、今から俺が言うことこの試合が終わるまで誰にも言うんじゃねぇぞ」
「お、おう」
「俺な、2年になって野球の練習をしていくたびにだんだんと肩を痛めていたんだ。」
このことを聞いた佑真は、ものすごく驚いた表情で言った。
「で、でも健なんでっ?今年になってボール投げても何も異変なかったぞ?」
「あぁ…でも、俺はそのことを誰にも言わなかった。みんなに今さら肩痛めてるって言ったらどれだけ迷惑をかけるか。だから俺はある人以外には言わなかったんだ。」
そう、それは…
「柚だね?」
佑真が言った。さすがだよ…
「うん、あいつは小学生の頃俺より後に野球を始めたのに、俺の投げるボールの角度やフォームまできちんと教えてくれたんだ。」
「まぁ、柚は昔から健のことばっか見てたしね」
「それに、そのことに気づいたのは柚だけなんだ。監督もチームのみんなも俺のフォームとかは何も異変がないと思っていたらしいんだ」
「ふぅん…だからまた柚に何か異変があるかどうかをみてもらうため話したってわけか」
佑真が言った。
「そしたら、俺はボールを肩に力を入れすぎて肩を痛めていたって…」
「それで、肩を痛めない新しい投げるフォームを教えてもらったんだ」