君に出会えた奇跡…
「…佑真。どうだった?」
菜奈が言った。
その心配そうな声はとても震えていて、今でも泣きそうな声をしていた。
そして、チームみんな俺のことを見ていた。
「もしかしたら…もしかしたら、健はこれから…」
これを聞いたらみんながいっせいに悲しむ。
ぜったいに。
でも、言わなきゃいけない。
本当の真実を…
みんなに伝えなければいけない。
「野球ができなくなるかもしれない」
それを決意しながらも俺は、みんなに伝えた。
それを聞いて、誰一人悲しんでいない人はいなかった。
みんなわ、泣いていた。
信じられない顔で…
叫ばず、静かに涙をこぼしていた…