あいうえおかきくけここいごころ
相合傘
朝、家を出たときから嫌な予感がしていた。

いってきますと、ドアから飛び出して走って駅へと向かう。
頬に感じる風が、何だかとても湿っぽい。

天気予報を見ていないことに気づいたのはその時。

でも戻っている余裕なんて無くて、定期を通して電車に駆け込む。

駆け込み乗車はおやめください、なんてアナウンスが流れて、少し居た堪れない気持ちになった。

息を落ち着けてあたりを見渡すと、予想通りというか……皆傘を持ってきている。

ため息を吐いて、空いていた席に座った。





午前中の仕事を終えて、午後の一休み。外を見ると、すでに真っ暗で。
分厚い雲が風に流されてきているのがわかる。

あぁ、絶対にダメだ。降られる。


はぁ、とため息が零れ落ちた。
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