ふたり



デパートの中へ入ると


外の暑さが嘘みたいに


ノースリーブの肩がすぐに冷たくなった


エスカレーターに乗り



下着売り場にやって来た




身体が小さくなって


持っている物のサイズが合わなくなったから


商品の間をキョロキョロ歩いて



Aカップのブラを見る



やっぱり女の子にとって胸って特別な部分なんだな



CカップからAカップへ


それは とてつもなく切ない気持ちになった


一枚ブラを手にとるけど


……やっぱりAカップのブラって子供っぽい…



いや、別に そんな誰かに見せることを前提に買うわけじゃないけど



……柊ちゃんだって ………
そんなこと、気にしないだろうけど



手に取った苺模様のブラを見つめて



きっと、ブラも必要のない身体になるんだ



そう遠くない将来に



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