ふたり




先に寝室で横になってると



お風呂から上がった柊ちゃんが



「疲れただろう
もう寝よう」



ベッドサイドのライトを消して



周りが暗闇に包まれると



そっとベッドに入った柊ちゃんのつま先が



私のつま先に重なり


久しぶりの感触が
くすぐったかった




ギュッと柊ちゃんが私をきつく抱きしめて



「すごく久しぶりだ」




たった3日入院しただけで



久しぶりだって



柊ちゃん



そんなこと言ったら



嬉しくなるよ?




「柊ちゃん」



「うん?」



「私、柊ちゃん好きだよ」



柊ちゃんの胸におでこをつけて



「柊ちゃん大好き」



頭の上から ふっ……て
柊ちゃんの笑いがこぼれて



「……うん」



少し低い声で
柊ちゃんはうなずいた



柊ちゃん


柊ちゃん大好き


だけど


ごめんね




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