ふたり




私の気持ちは変わらない




柊ちゃんの腕の中



私は目を閉じて



言った



彼を絶望させる事を



充分 承知の上で






「柊ちゃん


私ね


もう治療、やめるから


病院には行かない


薬も飲まない


もう全てやめて


ただ普通に暮らしたい


最期まで」











長い 長い 沈黙




だけど 私の耳には 聴こえたよ





柊ちゃん




あなたの心が




哀しく




潰れていく音





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