ふたり



柊ちゃんは私から腕を離して



私は また明日の準備をする



冷蔵庫を開けてペットボトルのミネラルウォーターを一口飲んで



「ねぇ、結は知ってる?」



柊ちゃんが私に訊く



「え~?なぁに?」


「卵子って排卵されてから24時間で精子を受け入れる能力を失うって」




…………24時間



「えぇっ!そんなに短いのっ?」



たった24時間で?



私が驚いて柊ちゃんを振り返る



そんな私の表情に柊ちゃんは満足そうに笑う




「結、急がなくて大丈夫?」



えぇっ、確かに今日は排卵日だけど……いつ?何時に排卵されてんの?




すっかりテンパる私に



「ハハハッ…結は面白いなぁ」



柊ちゃんが爆笑する



「ひっど――――いっ
私は真剣なんだよ?」



いつも赤ちゃん欲しがるのは私だけ



クスクス
柊ちゃんは笑いをこらえながら



「ごめん、ごめん
でも、そんなに気にしないで自然に任せようよ結」



ねっ?て柊ちゃんはのんきに
私の顔をのぞき込んだ



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