ふたり



優しく だけど 深く


たくさん愛しあった後




柊ちゃんの腕まくらで


まだ身体中に残る


甘く甘い余韻に


ぽや~~ん と してると




そっと
柊ちゃんが私のお腹
おへその下に手を置いた



「結の願いは届くかな?」



「う~ん…届く!」


私がきっぱり言うと


柊ちゃんはクスクス笑って



「不思議だよなぁ
こうして命が出来るのって」



「うん」



「1億~2億の精子が約10時間かけてたった1つの卵子を目指す」



「えっ!10時間も?」



そんなに時間かかるんだ


私は驚いて柊ちゃんを見つめる



柊ちゃんは優しく微笑み
私のお腹を撫でる



「卵子にたどり着く頃には精子は数千個になって

卵子さん入れてくださいって卵子の周りにとりついて

できた隙間からたった1つが入り込んで
やっと受精」




「すごい大変なんだね……
私そんなに時間かけて受精されるなんて知らなかった」



「そうだよ。命が宿るって大変なんだ。
仕組みを知ると奇跡みたいな話だろう?
だから結、焦らないで大丈夫だよ」



「柊ちゃん………」


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