ふたり
「外は寒いからな」
そう言って
床に膝を付けて
結にコートを着せた
ピンクのハートのポケットが付いた可愛い白いダッフルコート
「手袋も付けて」
結は されるがまま 手を出して
オレが赤い手袋を結に履かせる
よし、防寒対策は大丈夫だな
立ち上がりオレもフードに茶色のファーがついたパープル色のダウンコートを着て
「行こう、結」
そう声をかけると
リビングのソファーに座ってる絆を撫でて
「ねぇ、柊ちゃん
絆も連れて行こうよぉ」
結が せがむようにオレを見上げた
「連れて行きたい?」
「うん。ダメぇ?」
そんな風に頼まれて
断れるわけもなく
「いいよ。絆も連れて行こう」
「ヤッタ――――!」
結はピョンピョン飛び跳ねて
「柊ちゃん。だぁ~いしゅき」
だぁ~いしゅき ですか
………可愛いなぁ
「じゃ、行こうか。結」
絆を抱きしめる結の頭を撫でて
家を出た