ふたり
帰りの車の中
結は眠ってしまった
絆をギュッと抱きしめた結の無垢な寝顔を
フロントガラスから差し込む紅い夕陽が照らしてた
マンションの駐車場に着き
結を起こさないように
助手席からそっと抱き上げ
家に帰り ベッドに寝かせた
陽も沈み、静かに夜が訪れようとする薄暗い寝室で
スゥ―――――
ピィ―――――
寝息をたてる結を
ただ いつまでも見つめてた
このまま
ずっと このまま
ふたりで いられますようにと
願いながら
「…………ん~?」
目をゴシゴシ擦りながら
「あれぇ?………えっとぉ」
寝ぼけた声を出して
結が目を開けた
「柊ちゃん?あたし寝てた?」
まだ眠そうに毛布の端を掴んで結はオレを見た
「帰りの車でね」
「そっかぁ~、ごめんね?」
オレは笑って首を横に振った