ふたり
「柊ちゃんっ!」
結が怒ってオレをにらんだ
「いや、可愛い肋骨だなぁって」
「くすぐったいんだからっ!」
バシャッ
結が両手で
オレの顔にお湯をかける
「…わっ!こら、結やったなぁ」
「へへーん」
結が笑って バシャバシャお湯をかけ続けるから
「やめろって、結」
飛び散る水(お湯?)飛沫の中
腕を伸ばして 結を押さえるため
抱き寄せた
すっぽり
オレの腕の中に結が入って
瞬きして目を閉じた時に
髪からは前と変わらないシャンプーの香りがして
「柊ちゃんが先にくすぐったんだからね」
そう笑う結の首筋にキスをした
「や、ハハハ………」
また
くすぐったそうに結は笑って
「ごめんね。柊ちゃん
もう、くすぐったいだけなんだ」
「うん。わかってるよ、結」
オレだって 結の その身体に
そういう反応は期待していない
なんとなく だよ
なんとなく
瞬きした時に
前と変わらない
香りがしたからさ