ふたり



結………



「小さくなって出来ない事が増えて

その度に柊ちゃんが優しくしてくれて

柊ちゃんが私のパパみたいだなって」



「……でも、オレは結の夫だよ?
パパじゃないよ」


「わかってるよ」


あぁ、ダメだ

聞いては いけない

結が何を言いたいのかは

まだ わからないけど

直感だ


聞いては いけない



「結…もう寝て?」


「柊ちゃ……」
「おしゃべりはおしまいだ!」


強い口調で結に言うと


「柊ちゃん、聞いて
お願いだよ。
あたしの話を聞いて」


切実な結の顔を見たら
もう何も言えなくなった




「柊ちゃんが私を愛してくれた

子どものように優しく

私、そんな愛情を今まで知らなかったの

知らずに育ったの

だから、幸せなの、今が。

もしかしたら、病気は神さまからのプレゼントかもって思うよ

私の人生、全て柊ちゃんの愛情で満たされたもん」



……………結

目が熱く、涙が込み上げる



「そう、私、幸せなの

神さまから
プレゼントをもらったんだよ」



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