ふたり



ダイニングテーブルで



お土産のショートケーキを
ふたりで食べる



オレが箱を落としたから



形はぐしゃぐしゃに潰れたケーキだけど


「柊ちゃん、すごいね
お祝いのケーキになったよ」



結は嬉しそうに微笑む



その笑顔が嬉しくて愛しくて


どうしようもなく幸せで




「苺あげる」


オレが苺を結の皿に乗せると



「いいよ~、大事な苺…」



結はショートケーキに乗ってる苺が大好きだった



「じゃあ、赤ちゃんにあげる」



結のお腹の赤ちゃんに



子どもみたいに表情を崩して
結は笑い



「じゃあ私の苺も赤ちゃんにあげる」



結は パクっと苺を頬張った





幸せで 幸せで



胸がずっとドキドキしてた




結のお腹にオレの子どもがいる




「身体、大切にしような結」



手を伸ばして
結の柔らかい頬を撫でる



「はい」



結は少し恥ずかしそうに
うなずいた



< 30 / 225 >

この作品をシェア

pagetop