ふたり
ダイニングテーブルで
お土産のショートケーキを
ふたりで食べる
オレが箱を落としたから
形はぐしゃぐしゃに潰れたケーキだけど
「柊ちゃん、すごいね
お祝いのケーキになったよ」
結は嬉しそうに微笑む
その笑顔が嬉しくて愛しくて
どうしようもなく幸せで
「苺あげる」
オレが苺を結の皿に乗せると
「いいよ~、大事な苺…」
結はショートケーキに乗ってる苺が大好きだった
「じゃあ、赤ちゃんにあげる」
結のお腹の赤ちゃんに
子どもみたいに表情を崩して
結は笑い
「じゃあ私の苺も赤ちゃんにあげる」
結は パクっと苺を頬張った
幸せで 幸せで
胸がずっとドキドキしてた
結のお腹にオレの子どもがいる
「身体、大切にしような結」
手を伸ばして
結の柔らかい頬を撫でる
「はい」
結は少し恥ずかしそうに
うなずいた