ふたり



「だって、柊ちゃん……」



結は前髪を触りながら



「見てよ、この姿

どう見たって中学生だよ

これから、どんどん子供に戻って…………

私、柊ちゃんの奥さん出来なくなる………」



そう言うと結の目から
涙が流れ落ちた



「柊ちゃん……辛いでしょ?

私と一緒にいたら辛いでしょ

私も辛いよ

一緒にいたら柊ちゃんを哀しませてしまう

だから………さ、

別れて、私のことは忘れて」




涙がこぼれないように


床を じっと にらみつけた







1番 辛いのは 結じゃないのか?






ずっと そんなこと考えて
毎日を過ごしていたの?



そんな悩みの欠片もオレには見せずに



結は1人で悩んでいたんだね



オレに辛い思いをさせないため



オレのためを思って



オレは今まで


結の辛さを考えたことがあっただろうか?




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