【旧】モノクローム
prologue
「アイシテル、って言ったらどうする?」
それは、部屋の電気も消してお互いただ何をするわけでもなく、ベッドの中で向かい合ってしばらくしてのことだった。
私は、嘲笑う様にこう答えた。
「馬鹿じゃないの」
「何でそう思う?」
そんなこと決まってる、と続けて私は淡々と言う。
「私は貴方を愛してない」
「だから?」
「私は貴方を愛していないのに、貴方が私を愛してるはずがない」
そう答えると、彼はくくっと笑い微笑んだ。