【旧】モノクローム
その彼の台詞に、私はかあっと顔が赤くなった。
別に、照れているわけじゃない。
怒りで、どうにかなってしまいそう。
私は彼の手を振り払って仕方なくバッグを降ろした。
「何が目的?」
私に近づいて、と続ける。
「知りたい?」
その台詞に私はさらに機嫌を悪くする。
まるで私がお願いしてるような、馬鹿にしたような台詞。
「……どうせ、体目当てでしょ?」
むきなって、私は言った。
それでも彼は首を振る。
「違うよ」