【旧】モノクローム
悲しくはなかった。
怒る気もしなかった。
つまり、ユウタはサエって人と私を二股をかけてるわけで。
別にユウタもどっちかに決めるつもりはないらしい。
中途半端……。
別に私は『遊び』でよかったのに。
わざわざ『彼女』になんてややこしい立場にしてもらわなくてもやかったのに。
私は人の波に流されていく二人とは反対方向に歩き出した。
知っている。
みんな、結局そんなもの。
――
―
家に帰ってようやく気付いた。
どうして今まで気付かなかったんだろう。