【旧】モノクローム
 

「どうしたの……?」


もう一度、碧は言った。


その、なだめるような、心配するような声色で言われ、彼は真っ直ぐに私を見つめる。


目が合って、その瞬間一気に私の頭の中が落ち着いていく。


私は冷静になった瞬間、今さっきまでのことをすごく後悔して。恥ずかしくなって。


私はぱっと碧の手を振り払って、その場にしゃがみこんだ。


顔を伏せたまま、私は本当に小さな声で言った。


「ごめん……忘れて……」


私、が壊れていく。


そんな私を見て碧は私の側に寝そべった。


「高校のときから変わってないね」


その台詞に私は伏せていた顔をばっと上げ碧を見ると、彼は穏やかに笑っていた。


「って、葉月と同じ高校だった子から聞いた」


「……そう」


そうだね、と私は言った。


何も変わってない、と私は続けた。


でも、と碧は言った。

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